未来の環境を受け取る子供たちへ 三つの質問

 皆さんこんにちは。理化学研究所理事の土肥義治です。私はこの理研での環境対策をおし進める組織である「環境会議」委員長です。この会議では、理化学研究所が、環境を守るために、よくしていくためにどのような行動をとるのがいいのか、また、今できることは何なのかを考え、研究所の皆と一緒に色々な試みをしています。
また私自身も研究者です。私は長年にわたり、環境に優しいプラスチックの研究をしています。それはもちろん研究が大好きだからですし、私の研究が、皆さんや、皆さんの子どもの世代、孫の世代の幸せな暮らしのために役立つことが喜びだからです。
さて今日は、私から、皆さんに三つの質問をします。その中で、皆さんが環境について、そして自然科学について考えることを手伝いたいと思います。昨年は野依理事長から質問をしましたが、今年は私です。昨年の質問と今年の質問、もちろん質問は違いますが、皆さんに考えて欲しいことの根っこは同じです。その根っこは皆さんが自分で探してくださいね。

 そうそう、最初に言っておかなくてはならないことがあります。昨年野依理事長も皆さんに言いましたが、インターネットの情報は本当に皆さんが求めている「答え」ではありません。インターネットにある情報は、他の誰かが考えたり調べたりした結果です。「他の誰か」にとっては「答え」であっても、皆さんにとっての「答え」ではないのです。皆さんが求めている「答え」は皆さんが自分で納得しなければならない。そしてその「答え」が「他の誰か」の答えと違うのは、当たり前のことです。
インターネットの情報は、皆さん自身の答えを探すためのきっかけやヒントです。
さあ、はじめましょう。