取り組みの成果

温暖化の防止

地球温暖化の原因となるCO2を少しでも減らそうと、
私たちは省エネ活動に全力で取り組んでいます。

2010年度から理研全事業所のエネルギー管理が必要

 施設の老朽化に伴う高効率設備への更新や太陽光発電の積極的導入、さらには職員の省エネに対する意識改善等、主要事業所の省エネ努力は、確実に効果を現してきています。(下記グラフ参照)
2010年度から、省エネ法の改正により、小規模事業所も含めた理研全事業所のエネルギー管理が必要になりました。それに伴い、この度、2009年度理研全事業所のエネルギー使用状況を調査した結果、総使用量は、108,961kl (原油換算値) 、エネルギー起源によるCO2の総排出量は、176,590トン となりました。
 今後は、理研全事業所として、これまで以上の省エネ努力を積み重ねていく必要があります。

主要事業所のエネルギー使用量とCO2排出量の推移

主要事業所のエネルギー使用量とCO2排出量の推移

注1:
2008年度のCO2排出量の増加は、2007年7月の新潟県中越沖地震での東京電力㈱柏崎刈羽原子力発電所の停止によるCO2排出係数の増大が原因

注2:
主要事業所:和光・筑波・横浜・神戸・播磨・名古屋・仙台の各研究所

太陽光発電設備の導入

  

 2008年度は和光研究所の事務棟に出力30kW・横浜研究所の託児施設に出力1.5kW・播磨研究所のX線自由電子レーザー施設に出力15kWの太陽光発電パネルを設置しました。更に2009年度には和光研究所の研究基盤技術棟の屋上に出力60kWの太陽光発電パネルを設置しました。発電過程においてCO2 排出ゼロの太陽光発電は、やはり地球温暖化防止対策として非常に有効な設備です
 理研全事業所としての太陽光による発電量は、2009年度は、120,730kWh(2008年度:75,396 kWh) であり、前年度比1.6倍の増加でした。

LED照明
研究基盤技術棟屋上太陽光発電(和光研究所)

理研全事業所の年間太陽光発電量

最先端省エネ設備導入による次世代スーパーコンピュータ施設の建設

ホール(吹抜け)
ホール(吹抜け)

 神戸のポートアイランドに建設された次世代スーパーコンピュータ施設には、最先端の省エネ設備が導入されています。
 例えば、新鮮な外気を2重ガラス(ダブルスキン)の足元から取り入れ、研究室や事務室等を通過した後の暖まった空気は、計算機ゾーンと研究ゾーンの間の上下階をつないだ吹抜けを上昇し、屋上の排気口より排出されます。空調には、この自然換気方式と床からの吹き出し空調をミックスさせたハイブリッド空調方式を採用しています。そのダブルスキンには外付電動ブラインドや集熱パネルを設置することにより煙突効果によって排熱を促進させる効果があります。また、研究室や事務室等の一般照明は、明るさセンサー・人感センサーによる適正照度制御を導入しています。
 さらに施設内には5,000kW級のガスタービン2基によるコージェネレーション設備や、屋上には太陽光発電パネルを設置し、大幅なCO2の排出削減を図ります。次世代スーパーコンピュータ施設は、“文字通り” 次世代の地球環境にもやさしい施設となります。

次世代スーパーコンピューター施設(京)
次世代スーパーコンピューター施設(京)

ハイブリッド空調方式(イメージ図)
ハイブリッド空調方式(イメージ図)

冷水ポンプの省エネコントローラーの導入(筑波研究所)

省エネコントローラー(筑波研究所)
省エネコントローラー(筑波研究所)

 筑波研究所のヒト疾患モデル開発研究棟の冷水ポンプに省エネコントローラーを導入しました。この設備の導入により、年間350,000kWhの電気量が削減可能となります。実に削減率76%の大きな省エネ効果が期待できます。

エネルギー消費効率が優れた設備への更新

生物科学研究棟エントランスホール改修(和光研究所)
生物科学研究棟エントランスホール改修(和光研究所)
(照明をLEDランプに交換:CO2 1.5t/年の削減)

 2008年度に引き続いて、理研全事業所においてエネルギー消費効率が優れた設備への更新を老朽化に伴う施設の改修工事等にあわせて随時実施しました。今後も積極的に最新の技術を取り入れエネルギー消費効率の優れた設備への更新を随時実施していきます。
 そして、それらの設備の性能や省エネ効果を十分に引き出せるように、使用する側の私たちが “エネルギーの無駄使いをしないこと”。これが地球温暖化防止のポイントとなります。