各事業所の一般公開

理研をもっと理解していただくために、
市民の皆さまとの交流を続けています。

 理化学研究所では、毎年、科学技術週間行事の一環として、各施設を一般公開しています。広範囲にわたる研究内容を分かりやすく紹介するとともに、科学を身近なものとして親しんでいただける実験やイベントなどを開催し、科学に関心をもつ子どもたちや地域の皆さまに向けて幅広いアプローチをしています。2009年度は前年を上回る20,507人の方々に参加していただきました。

和光研究所

和光研究所
人気の高いイベント「RIビームファクトリー見学ツアー」

 100以上の研究室が、体験型の展示や工夫を凝らしたパネルを使って研究内容を紹介しました。人気の高いイベントの1つが「RIビームファクトリー見学ツアーにようこそ!」です。理研の代表的な研究施設「超伝導リングサイクロトロン」などを見学するもので、普段は夜を徹して研究が行われているため、内部まで入ることはできません。その他、クイズに答えていただいた方に抽選で蘭をプレゼントする「クイズに答えて 蘭を当てよう!」(協力:向山蘭園)、「出発進行!みんなで乗ろう!研究者が作ったミニSL」(協力: 日本小型鉄道クラブ)、深海の高い水圧を体感してみる「深海の世界を体感しよう!(協力:江ノ島水族館)」などのイベントも好評でした。2009年度は9,886名にご来場をいただきました。

筑波研究所

筑波研究所
日常では見ることのない細胞を真剣に観察

 筑波研究所の一般公開では、2日間で2,245名の来場者がありました。工作や実験教室のほか、話題のiPS 細胞やES細胞を顕微鏡で観察していただきました。また、「“ヒトの進化と人類の移動の軌跡”?私たちはどこから来てどこへ行くのか??」(細胞材料開発室:壇上稲穂 研究員)、「ES細胞、iPS細胞と再生医療」 (細胞材料開発室:寛山隆 専任研究員)、「百聞は一見にしかず?蛍光でみる細胞の動き、生命の動き?」(阿部訓也副センター長、動物変異動態解析技術開発チームリーダー)の3講演が行われました。現在進行中の研究成果の紹介や、様々な蛍光タンパク質を用いて「細胞」の中で起こっている様子を観察する「可視化」技術などの話に、来場者から研究者へ多くの質問や意見が投げかけられました。来場者の方々のたくさんの笑顔にあふれ、“科学をもっと身近に、もっと楽しく”感じていただける機会となりました。

播磨研究所

播磨研究所
XFELを初公開

 「つなげよう 科学と君とのネットワーク」と題してSPring-8施設公開(一般公開)を行いました。大型放射光施設「SPring-8」をめぐるガイドツアー、そして今回はX線自由電子レーザー(XFEL)施設を初公開しました。XFELは2011年に供用開始予定で、施設内や様々な専門機器を見ながら、その活躍に思いを馳せていただきました。ほかに、磁石を使ったゲームや不思議な電磁石ゴマのデモ、液体窒素を使った実験や電子顕微鏡の体験、味覚の秘密といった身近な話題を扱った講演会など、多くの人でにぎわいました。2009年度の一般公開には、3,638名にご来場いただきました。

横浜研究所

横浜研究所
ヒーロー「しろありん」登場

 横浜研究所は、横浜市立大学大学院と合同で一般公開を開催しています。幅広い分野の研究を楽しんでいただくため、研究室・施設の公開、講演会や各種のイベントを行いました。公開施設の中で、目玉となるのがNMR(核磁気共鳴)施設です。タンパク質の立体構造と機能の解析を行う高性能NMR装置40台を備え、世界最大の集積台数を誇っています。DNAの個人差を調べるSNPタイピング施設や、生体分子シミュレーターなども人気の施設です。「フシギで楽しい科学の世界を体験しよう!」と題したイベントは、「アルコールに強い?弱い?あなたの体質を調べます!」「免疫システムのなぞに挑戦!」「DNAおりがみとRNAパズルで遊ぼう!」など、好奇心を刺激するものを多種多様に開催しました。2009年度は過去最高の2,614名もの方にご来場いただき、研究者に質問しながら最先端の科学を楽しまれていました。

神戸研究所

神戸研究所
飼育中のひよこを観察

 神戸研究所は、研究内容の展示や工作教室など多彩なプログラムで日ごろの活動を紹介しました。不思議そうに顕微鏡をのぞいている子どもたちや、「君も科学者!写真撮影会」で、白衣を着ての記念撮影に満面の笑みを浮かべる子どもたち、お父さんお母さんの手を引っ張ってクイズラリーに真剣に取り組む子どもたちなど、各イベントを楽しんでいただける姿があちこちで見受けられました。講演会は立ち見も出るほどの盛況ぶりで、今回で3回目となるおしゃべりカフェでは、来場のみなさんに「記憶力を上げる薬、欲しいですか?」と題して、気軽におしゃべりいただきました。冷たい雨が降るあいにくの天気でしたが、過去2番目に多い1,404名の方にご来場いただきました。

仙台支所

仙台支所
テラヘルツ波での透視実験中!

 2009年度の仙台支所の一般公開は、前年を大きく上回る274名の方が訪れました。将来の私たちの生活や社会に役立つテラヘルツ光の可能性について、分かりやすく紹介するイベントを行いました。「テラヘルツ波で透視する」コーナーでは、プラスチックに覆われたチョコレートを透視する実験、「体感しよう!テラヘルツ波!」コーナーでは、いろいろな物体にテラヘルツ波をあててスペクトルの違いを観察しました。毎回人気の工作教室では、今回は虫眼鏡を使ってカメラ作りに挑戦し、親子一緒に科学の不思議を楽しめるイベントとなりました。

名古屋支所

名古屋支所
介護ロボットのRIBA(リーバ)

 名古屋支所は、日頃の研究内容を紹介するとともに、実際の研究室も一般公開しました。最先端のロボット研究をしている名古屋支所では、各種ロボットたちが公開・展示の中心です。今回目玉となったのは、61kgの人を抱き上げることができる介護ロボット「RIBA(リーバ)」の公開でした。RIBAをキャラクターにしたコンピュータゲームも用意され、さっそく子供たちの人気者になりました。その他、参加型実験室「ペットボトルでロケットを作って飛ばしてみよう!」では、子どもたちが自分の作ったロケットの発射実験にワクワクの様子で、「脳の不思議を探ろう!」では、意識と感覚のズレに驚いていました。子どもから大人まで446名の来場者に、一般公開の一日を楽しんでいただきました。