脳神経創薬基盤ユニット~脳神経疾患の病態研究と創薬への応用~

脳神経創薬基盤ユニットは、AMED脳神経科学統合プログラムとも連携して、脳神経領域の創薬研究を推進します。疾患モデル動物やヒト細胞・組織を用いた分子生物学・生化学・病理組織学とAI画像解析などにより脳神経疾患の病態を明らかにし、その知見と技術を創薬へ応用します。

1.脳神経領域の創薬シーズ・技術の探索とそのテーマ化への貢献

脳神経創薬基盤ユニットが設置されている脳神経科学研究センター(CBS)だけでなくCBS以外のセンター等も対象として、脳神経領域の創薬シーズ・技術の探索ならびにそれらのDMP創薬テーマ化へ向けた活動を展開します(図1)。また、AMED脳神経科学統合プログラム*と連携して、認知症や精神疾患などに関する研究成果の社会実装を支援するとともに、上記プログラムのデータベースやデジタル脳を創薬研究に活用するための橋渡しを担います。

次の画像をクリックすると拡大します

図1 ユニットの連携体制

図1 ユニットの連携体制

2.脳神経領域重点疾患の創薬研究に向けた検証基盤の強化

神経変性疾患や発達障害を中心に、創薬研究のための検証基盤を強化します。
  • (1) 疾患モデル動物・ヒト細胞・デジタル脳などを用いた評価系の活用と拡充
    • ① ニューロン/グリア培養系での各種評価
    • ② 疾患モデル動物(一部の神経変性疾患については遺伝子改変マーモセットも利用可能)を用いたin vivo評価
    • ③ ヒト疾患特異的iPS細胞を利用した評価
    • ④ 創薬に向けた脳神経科学統合プログラムのデータベースとデジタル脳の活用
  • (2) 脳機能・病理・生化学などの網羅的解析と自動化
    • ① 神経変性疾患の脳病理組織学(図2)とAIを利用した定量解析の自動化(図3)
    • ② 生化学(凝集タンパク質解析、体液等のバイオマーカー定量など)
    • ③ 動物行動解析(TRIP-AGISと連携したマーモセットの自動行動シーケンス分析など)
    • ④ 研究基盤開発部門(RRD#)が提供するその他の技術支援の活用
  • (3) 医薬品候補化合物の脳内移行性評価技術と脳内送達技術の改良
  • (4) 患者脳サンプルを用いた検証

次の画像をクリックすると拡大します

図2 神経変性疾患モデルマウスの海馬の炎症像

図2 神経変性疾患モデルマウスの
海馬の炎症像

次の画像をクリックすると拡大します

図3 AIが自動認識したマウス海馬ミクログリアの形態

図3 AI が自動認識したマウス
海馬ミクログリアの形態

TOPへ