ガイドライン

創薬・医療技術プログラム(DMP)はテーマ・プロジェクト選定とステージアップのためのガイドラインを設置しています。

創薬テーマ・プロジェクトの
選定の考え方

創薬・医療技術基盤プログラムでは、新薬および新規医療技術としての実用化に必要な研究の方向性、研究開発計画および薬事承認に必須なプロセスを支援します。創薬テーマ・プロジェクトの支援対象課題の選定については、ガイドライン(選定基準)を設けております(表1)。これらの基準は、創薬の出口戦略を見据え、研究着手時に創薬研究の成功の可能性の高い基礎研究として意義のあるものに選択と集中ができるように策定しています。当プログラムにおける創薬テーマの選定につきましては、機関内の専門家からなる会議体にて審査し、テーマ・プロジェクトの採択・不採択を決定します。

表1 創薬テーマ・プロジェクトの選定基準

1. 理研が取り組むべき創薬・医療技術の対象か?

  • 治療満足度が低く、薬剤貢献度が低い疾患領域(希少疾患、感染症、中枢神経疾患、免疫疾患等)、あるいは理研創薬の強みが生かせる疾患に対する革新的な創薬標的。
  • 斬新な創薬モダリティーに繋がる新規技術。
    「モダリティー」
    :低分子医薬、ワクチン、タンパク医薬、抗体医薬、中分子医薬、核酸医薬、遺伝子治療、細胞治療のような創薬技術の方法・手段

2.メカニズムの新規性・信頼性

  • 独創的、且つ、信頼性が高いかどうか。
  • 標的メカニズムの妥当性と疾患関連性が示されているか、対象疾患のアンメットニーズに対する本質的な解決に繋がるか。

3.有望な医薬品候補を探索できる可能性:創薬研究の具体性

  • 創薬コンセプトの実証可能なアッセイ系を有すること、あるいはスクリーニング系が想定できていること。
  • 対象とする疾患のアンメットニーズ解決のための臨床での検証方法が想定されていること。

4.先行品の有無と差別化

  • 先行品のない事が望ましい。先行品がある場合は、差別化が可能であること。

5.創薬の熱意を有するリーダーの選任

  • テーマリーダー・プロジェクトリーダーは創薬研究に熱意をもって取り組むことが要求される。提案者であることが望ましいがその限りではなく、適材を選任する。

採択後のテーマ・プロジェクトの
推進と管理

当プログラムでは、採択した創薬テーマ・プロジェクトを推進するにあたり、ステージをS(シード)段階、L(リード)段階、P(臨床)段階の3段階に分け、さらにそれぞれの中をステージS0からS3、ステージL1からL3、ステージP0からP3、に細分化して管理しています。

ステージS0からステージL2までは候補化合物が1つあるいは少数に絞り切れていないいわゆる探索段階で「テーマ」と呼び、テーマリーダーとポートフォリオマネージャー(ポートフォリオマネージャーは複数のテーマを担当します)が協力して創薬を推進します。L3ステージ以降は候補化合物の開発を進める段階で、「プロジェクト」と呼び、プロジェクトリーダーをアサインして開発を強力に推進します。

ご提案いただく研究の中ですでに発見しているシード・リードがあれば、どのステージまで進んでいるのかが重要な審査項目となります。

採択後のテーマ・プロジェクトの推進と管理図

低分子化合物

  • S0: ターゲットを同定した段階
  • S1: スクリーニング系を構築し、スクリーニングを実施している段階
  • S2: ヒット化合物を発見し、シードへ展開している段階
  • S3: 有望な創薬シードが見つかり、リードへ展開している段階
  • L1: 動物試験で効果を示すリード化合物を発見し、最適化を行う段階
  • L2: いくつかの有望な化合物を同定し、non GLP試験に進めるために最適化を進めている段階
  • L3: non GLP試験によってP0候補化合物を選択する段階
  • P0: GLP試験によってP1候補化合物を選択する段階
  • P1/P2/P3: 臨床試験のPhase I/II/IIIに対応

抗体、細胞加工物・遺伝子治療等の課題につきましても各ステージの基準を定めています。また、これらのステージのうち、重要なステージについてはステージアップのための定義を詳細に決めています。個々の創薬テーマ・プロジェクトを推進しながらこれらの要件に基づいてステージアップの判断を行いますが、当プログラムで推進する全テーマ・プロジェクトからなるパイプラインにおける優先度も定期的に協議し、期待されるテーマ・プロジェクトがより早く開発できるようなリソース配置を行います。

創薬を実現するまでにはクリアしなければいけない多くの項目があります(下図「医薬品候補化合物の同定までにクリアすべき主な項目」参照)。当プログラムでは、創薬の専門家、最先端の創薬技術に詳しい研究者をスタッフに揃え、皆様の創薬テーマ・創薬プロジェクトを推進できるように体制を整えております。ぜひ、一度ご相談ください。

医薬品候補化合物の同定までにクリアすべき主な項目

お問い合わせ先

TOPへ