事業開発室
株式会社理研イノベーションとの連携のもと、当プログラムが推進する創薬テーマ・プロジェクトについて、企業や大学、外部研究機関との共同研究やライセンシング等のアライアンス部分を担当しています。
創薬探索研究において、生物活性制御解析のための研究資源を提供する化合物ライブラリーは欠くことの出来ない研究ツールです。
創薬ケミカルバンク基盤ユニットは、創薬・医療技術基盤プログラムにおける化合物探索、構造最適化の過程で合成あるいは購入された創薬シード化合物を適正な環境下で保管管理し、それらの化合物をライブラリー化し、生物活性評価、毒性・安全性評価などの目的に応じて提供するケミカルバンク機能を担っております。またケミカルバンク基盤ユニットでは環境資源科学研究センターの関連研究室と連携して化合物ライブラリーの充実を図ります。これらの化合物ライブラリーに関する情報は、インターネット上で化合物データベース「NPEdia (http://www.cbrg.riken.jp/npedia/)」にて公開しています。
これら構築した技術基盤によって天然化合物の提供、化合物とタンパク質相互作用のスクリーニング支援とメディシナルケミストリーによるヒットした化合物の最適化の支援を行います。またスクリーニング源として放線菌、糸状菌などの抽出物も提供し、これらから活性物質を見出す支援も行っています。創薬研究の推進のために、化合物バンクの技術基盤を整備し、リード化合物の探索などを通じて様々な創薬研究を支援します。
創薬ケミカルバンク基盤ユニットでは、放線菌や糸状菌から単離した代謝化合物の他、植物などから単離された二次代謝物など、多様性のある化合物ライブラリーの構築を行います。
理化学研究所・天然化合物バンク「NPDepo」が現在までに収集・保管している化合物数は、13万種類を超え、その内約5万9千種類については幅広い活用が可能となっています。 さらに「NPDepo」で収集した化合物に関して、化合物名、化合物ID、構造式、起源、物性、生理活性、機器分析データなどの詳細な情報を登録管理し、キーワード検索ならびに構造検索が可能なデータベース「NPEdia」を作成・公開しています。化合物情報をオンラインで検索・閲覧できるとともに、一部の化合物については、希望者へ提供いたします。
今後も、天然化合物バンク「NPDepo」の提供可能な化合物の充実を図り、化合物データベース「NPEdia」での情報提供を強化していきます。
天然化合物バンク「NPDepo」に所蔵される化合物の化合物アレイ作製を行い、標的タンパク質と相互作用する低分子化合物のスクリーニング支援を行います。
ワンチップに2300を越える化合物を固定した化合物アレイを用い、低分子化合物-タンパク質相互作用の迅速な検出が可能です。多様な化合物アレイを作製して、薬剤リード探索システムの構築と運用を行います。
HSP(Heat Shock Protein)関連タンパク質と相互作用する低分子化合物を、化合物アレイを用いて探索を行いました。図2「HSP関連タンパク質に関する化合物アレイスクリーニング結果」に示すように、環状ペプチドおよびアルカロイドがHSP関連タンパク質と高い相互作用を示すことが検出できました。