多方向かつ段階的に進行する細胞分化における運命決定メカニズムの解明究領域略称:細胞運命制御

組織・研究内容

研究課題名
HMGAタンパク質群による神経幹細胞のニューロン分化能賦与メカニズムの解析

岸 雄介
研究代表者
岸 雄介
東京大学分子細胞生物学研究所・助教
研究室HPE-mail

研究内容

 幹細胞は、組織を形作る様々な細胞種に分化することができる多分化能を持つが、その能力は発生の過程において制限されていく。大脳新皮質の神経幹細胞においても多分化能が制限されていくことが示唆されてきており、胎生期の神経幹細胞ではニューロン分化能を持つのに対して、出生以降はニューロン分化できなくなることがわかっていた。我々はこれまでに、HMGAタンパク質群が胎生期の神経幹細胞に高発現しており、そのことがニューロン分化能に必須であることを見出した(Kishi et al, Nat. Neurosci., 2012)。しかしながら、HMGAタンパク質群がどのようにしてニューロン分化能を制御しているかについてはほとんどわかっていない。HMGAタンパク質群は多くのゲノム領域に結合することができるクロマチンの構成因子であり、様々な遺伝子の転写に影響を与えることがわかっている。そこで、本研究ではHMGAタンパク質群がクロマチンの制御や遺伝子の転写を介して、どのように神経幹細胞のニューロン分化能を制御しているかを明らかにすることを目的とする。具体的には、
(1)HMGAタンパク質群による神経幹細胞のクロマチンのグローバルな制御の意義
(2)HMGAタンパク質群の下流因子の探索
の2点に焦点を当てて解析を行う。

主な論文

* correspondence
研究代表者
岸 雄介

Fujii Y, Kishi Y, and *Gotoh Y
IMP2 regulates differentiation potentials of mouse neocortical neural precursor cells.
Genes to Cells. 18: 79-89, 2013

Kishi Y, Fujii Y, Hirabayashi Y, and *Gotoh Y
HMGA regulates the global chromatin state and neurogenic potential in neocortical precursor cells.
Nature Neuroscience. 15: 1127-1133, 2012

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