本所および和光研究所

土肥義治

和光研究所
所長 土肥義治

事業所の環境方針

 和光事業所は、理研の歴史を支えてきた基礎研究、加速器研究に最新の脳科学研究など広範な分野の研究が行われている理研の中心施設です。1963年に駒込からの移転を開始して以来、一貫して構内の緑化に努めており、豊かに成長した緑は職員や近隣の方々の目を楽しませています。また、屋上緑化にもいち早く取り組むなど環境活動の側面でも他の施設のモデルとなっています。
 当事業所は地域でも有数の桜の名所でもあります。この和光事業所を桜が一番きれいに咲く時期の土曜日に開放して、地域の皆様にお花見を楽しんでいただいています。
 また、和光市環境審議会委員及び和光市の環境をよりよくしていくために市民、事業者、及び市が一体となって取り組むための「和光市環境基本計画」のもとに設置されている「和光市環境づくり市民会議」に参加し、和光市の一員として和光市の環境政策に取り組むとともに、地元の皆様のご意見を受け止める場として活用させていただいています。さらに、自治体の環境への取組の情報を収集し、事業所の環境配慮活動に反映すべく検討をしています。
 私自身は化学が専門で、以前から環境問題には関心を寄せてきました。当初は環境問題は特定の地域の問題としての扱いが多かったものですが、近年は地球的規模の重要な問題として認識され、多くの方々の協力で地球環境問題解決への努力に向かっていることは喜ばしいと感じています。
 また、科学技術に対する社会の期待は非常に大きいものと思います。しかし、個々の研究者、研究機関でできることは限られていますので、互いに連携、協力して研究を進めるべきだと思います。

研究と環境貢献

地域の方に楽しんでいただいた一般公開
地域の方に楽しんでいただいた一般公開

 当事業所にある和光研究所には、基幹研究所があります。ここでは既存の考え方にとらわれず、研究者の自由な発想に基づく基礎科学研究から新たな研究の芽を生み、研究領域として戦略的にそれを育て、さらにこれを中核的な研究拠点として発展させる研究の循環システムの心臓の役割を果たしています。このような仕組みの中で、「エネルギー・環境問題の解決に役立つ革新的物質・機能の創成」、「有用物質を“クリーン”に創るクリーン化学に関する研究」、世界でも有数の性能を持つ加速器を有する仁科加速器研究センターでは、本環境報告書でも紹介している「重イオンビームを用いた環境耐性植物の開発研究」などを実施しています。