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研究テーマ

研究概要

染色体は、遺伝情報の担体としてあらゆる生命現象の根本に位置します。私たちの研究室では、染色体がどのように構築され、そのダイナミックな構造変換がどのようにして制御されているのかという問題について、特に有糸分裂期の染色体分離の分子メカニズムに焦点をあてて研究を進めています。

複製期を経た染色体は、等価の遺伝情報をもつ2本の姉妹染色分体から構成されます。この姉妹染色分体を娘細胞に分配するためには、姉妹染色分体の接着(2本の染色分体を分裂期までつなぎとめておくこと)と染色体凝縮(染色分体間の絡み合いを解いて分離可能なコンパクトな構造に変換すること)という2つの準備過程が必須となります。約10年前、私たちはアフリカツメガエルの卵抽出液を用いた実験から、染色分体の接着と凝縮の過程に中心的な役割をもつ2つのタンパク質複合体(それぞれコヒーシンとコンデンシンと呼ばれる)を同定することに成功しました。面白いことに、この2つの複合体は類似の構造をとっており、SMC(structural maintenance of chromosomes)タンパク質と総称されるATPアーゼ・サブユニットを共有していることがわかりました。さらにその後の研究により、SMCタンパク質は、遺伝子発現・組み換え修復・減数分裂期の染色体分離など、非常に幅広い染色体機能に関わっていることが明らかになっています。

私たちの現在の目標は、コンデンシンとコヒーシンの解析を中心に、染色体の構築とダイナミクスを総合的に理解することにあります。最近では、染色体ダイナミクスの制御欠損とヒトの遺伝疾患との関連も明らかになりつつあります。私たちの研究が基礎生物学の本質的な理解に貢献することはいうまでもありませんが、長期的には臨床医学の分野にも大きな影響を与えるものであることを期待しています。

現在、以下のような研究テーマについて取り組んでいます。

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