III族窒化物半導体を用いた新規テラヘルツ帯量子カスケードレーザの開発研究

研究内容

本研究は、未だ実現していない5-12THz帯のテラヘルツ量子カスケードレーザ(THz-QCL)を新規開拓することを目的としている。現行で用いられ ているGaAs系材料ではLOフォノン散乱による強い光吸収のため発振周波数の拡張は難しい。一方、本研究で"新しい材料"として着目したAlGaN系 III族窒化物半導体はLOフォノンエネルギーがGaAs系材料に比べ3倍程度大きいため、これまで未開拓であった5-12THz帯でのレーザ発振が可能 である。これまでの研究で、世界で初めてGaN系QCLからのTHz帯自然発光を観測することに成功している。本研究では、窒化物半導体膜の高品質化、新 しい量子構造の導入を行うことで、未踏周波数領域(5-12THz)を中心としたTHz-QCLの実現を目指す。