森 茂生 氏(大阪府立大学総合科学部物質科学科)
「マンガン酸化物でのナノスケール強磁性状態」
巨大磁気抵抗効果や金属―絶縁体転移などの量子物性を示すマンガン酸化物での強磁性状態について、主にローレンツ電子顕微鏡を用いて行った最近の研究成果について報告する。特に、(La,Pr)5/8Ca3/8MnO3や(Nd,Sm)0.5Sr0.5MnO3において見出した強磁性金属状態と反強磁性絶縁体状態(電荷・軌道秩序構造)との競合・共存現象により生じる、ナノスケールサイズからなる強磁性状態およびその揺らぎ状態と金属-絶縁体転移との相関について議論する。