スピンナノ機能研究チーム - Functional Nano-Spin Research Team- |
(1) 分子スケールナノ構造の作製 先端リソグラフィー技術では作製が困難な数ナノメートル級の量子ナノ構造を作 製するために,分子レベルの直径を持つカーボンナノチューブや10nm程度の直径 を持つ半導体ナノワイアをBuilding Blockとしたナノデバイス構造を作製する技 術を開発する. (2) 高温動作単電子デバイスの開発 単電子デバイスでは,大きな1電子帯電エネルギーを得ることが高温動作にとっ て重要である.そのためには,より小さな量子ドットを作製することが必要であ る。単電子デバイスとしては,単電子ロジックや単電子多値メモリをとりあげ, これをより高温で動作させるために,自己組織化的にナノ構造が形成される, カーボンナノチューブや半導体ナノワイア,超微粒子等を用い,それらの集積化 を含めたデバイスプロセスを開発するとともに,実際のデバイス動作の実証を行 う.(図1) (3) 量子ドットにおける電子スピン・核スピン相互作用の解明 化合物半導体ナノ構造,カーボンナノチューブ,半導体ナノワイアなどにおける 電子スピンや核スピンを量子情報媒体として利用することを目指し,これらのナ ノ構造における、電子スピンや核スピンの振る舞い,そしてそれらの間の相互作 用を明らかにする.化合物半導体量子ドットでは,電子スピンと核スピンの相互 作用に,シリコンやカーボンナノチューブでは電子スピンの振る舞いを中心に研 究を進める.(図2) (4) 化合物半導体量子ドットにおける光・電子情報変換の実現 化合物半導体において円偏向を持った光と電子の相互作用を明らかにすることに より,光の量子情報を電子スピンの情報に変換する量子メディアの実現可能性を 探索する. (5) 液体ヘリウム液面上の電子の量子状態制御 液体ヘリウム液面に束縛された2次元電子系の量子状態をコヒーレントに制御す る技術を開発する.量子状態の読み取り技術として,単電子トランジスタを液体 ヘリウム2次元電子系と複合した系の実現を目指す.(図3) |