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タイトル作品:蒼の展象

作者: 大和 順

作者Profile

芦屋市在住。
従来、壷や箱物に用いられた七宝焼きを壁面の世界に取り入れ、現代芸術としての独自の世界を展開。
フランス、アメリカ国際ビエンナーレほか多数に出品。
個展歴:ニューヨーク・ソーホー、東京セントラル絵画館、三越ギャラリーetc.

七宝焼について

 よく磨いた銀や銅の上にクリスタル系の色彩ガラスの湿らせた粉末をのせ、800〜900℃の高温で幾重にも焼き重ねていったら…。
それは底から輝く、神秘的なきらめきを持った色彩世界を私達に提供します。

 そういった金属の素地にガラス質の釉薬を焼き付けていく工芸を、

七宝の名称

 仏教の阿弥陀経や法華経の経典の中に、「極楽浄土は金、銀、瑠璃、瑪瑙、真珠、等によって彩られ七宝荘厳である…」と説かれているところから名付けられたと考えられている。七宝と書いて'しっぽう'と読むのは、漢字では'七'が'漆'にあたる為とされている。

 今から5000年程前、オリエントに蒔かれた文明の火は、ある偶然から「ガラス」の製法を発見、次にガラス質と金属を融合させることによって、色彩が与えられた。
これが七宝の礎となり、改良を重ねて 宝石に近い輝きを持った焼き物・ヱマイユとして世界各地でそれぞれ特有の発展をなしてきた。

 世界最古の七宝はB.C.1200年頃〜ギリシャ(ミケーネ文明)で発掘…黄金リングとされている。

 古代ギリシャ―エジプト―ローマ―ヨーロッパ―世界各地へ順次伝わる。
西洋中世ではキリスト教文化と共に発展、祭具(聖具)などの装飾に不可欠のものとなり、技術的にも工夫が加えられた。

 釉薬=うわぐすり・上薬〜一般には素地の表面に置いて焼成し、艶をつける薬のことを総称する。

 出来上がった釉薬は粒子なのでそれぞれの色は混ぜても一般の絵の具のようには混ざらず、他の色を作ることは出来ない為、いろいろな色彩釉薬の焼付けを繰り返し重ねていくことによって、微妙な色調を作っていく、その他多くの技法がある。


作品解説

濃淡のブルーが 展開していく拡がりの中に、
縦に画面を越えて貫く 構築のうねり・・・
それは 創造性と発展、
そして人間の信念にもつながっていくものでありたい。
拡がりややすらぎ、さらには希望へと・・・
いろいろな表情を見せながら続いていく
永遠の時の流れにも,制作主旨をゆだねて・・・。