個別研究内容紹介
外部刺激で誘起される構造変化にともなう発光色変化に関する研究
発光波長が変化するためには励起状態のエネルギーが変化することが必要であり、ほとんどの場合構造変化を伴います。我々は、四面体構造を有する金(I)錯体上での構造変化を伴う発光色変化現象を利用し、1)アルコール蒸気(揮発性有機化合物)に選択的に単分子応答し発光色が変化する材料(vapoluminescent material) 2)メカニカルな刺激(すりつぶし)に応答し発光色が変化する材料(mechanoluminescent material)の開発を行うとともに「外部刺激→構造変化→発光色変化」を分子レベルで理解・説明することを目的とした研究を行っています[1]。
メタノール蒸気による発光色変化(上図)とすりつぶしによる発光色変化(下図)
- [1] "Vapochromic and Mechanochromic Tetrahedral Gold(I) Complexes Based on the Diphosphine Ligand, dppb [1,2-bis(diphenylphosphino)benzene] Ligand", M. Osawa, I. Kawata, S. Igawa, M. Hoshino, T. Fukunaga, and D. Hashizume, Chem. Eur. J. 16, 12114-12126 (2011).