画像情報処理研究チーム, 光量子工学研究領域, 理化学研究所


外観検査アルゴリズムコンテスト2020の結果


ViEW2020ビジョン技術の実利用ワークショップでの表彰式・発表の様子

2020年12月3日-4日にオンライン及びパシフィコ横浜で開催されたViEW 2020にて、「X線CTによる工業製品の内部検査 ~ボクセルデータからの形状と材質の分類~」と題して、X線3次元画像を対象とした外観検査アルゴリズムコンテスト2020 (145件エントリー)の結果発表・及び優秀賞・理研ボクセル賞の表彰が行われました。本コンテストは、精密工学会 画像応用技術専門委員会が主催 (共催: 理化学研究所 ボクセル情報処理システム研究チーム)で開催されたコンテストです。


本理研ボクセル賞は正解率上位のみの選考基準である(最)優秀賞とは異なり、X線CTによる工業製品検査に有用であろうロバスト性を3種類の順位(アルコン委員会基準、各正答データの難易度を加味した順位:参加者全体の正解率の逆数で各データの点数を重み付けした順位、重み付け+参加者の全データに対する得点の分散で正解率を割った点数の順位)により採点しました。また、アルゴリズムが独創的であるかを提出された要旨を基に中京大の輿水先生及び理化学研究所の2つの研究チーム合同で審査した結果を基に選考をしております。画像応用技術専門委員会の賞とボクセル賞は、それぞれ独立に審査しております。


受賞者の方々のオンライン発表. 左から、 水谷氏 (みずほ情報総研), 田中氏 (立命館大), 中井氏 (静岡大), 菅野氏 (ヴィスコ・テクノロジーズ)  


課題: 「X線CTによる工業製品の内部検査 ~ボクセルデータからの形状と材質の分類~」 (データ提供:理研 ボクセル情報処理システム研究チーム)

審査委員講評

  • 「水谷氏、みずほ情報総研」:形状検索の技術群を組み合わせが巧みであり、他を圧倒して余りある、高速かつ省メモリ、高信頼な手法を実装した。特に、混在部品を切り出して多視点画像化する仕組みの導入は独創的であり、ネットワークの潜在力と画像技術の力量を見事に束ねている。
  • 「田中氏ら、立命館大学」:学習方法YOLOv5の丁寧な実装により、適正な計数プロトコルを構築し高い計数精度を達成し得たことは注目に値する。
  • 「中井氏ら、静岡大学」:部品の大小を考慮したseed計算や3次元領域分離などの工夫があり、独創的である。また、2段階分類を用いた良好な計数精度と計算速度も高速であったことも評価に値する。
  • 「菅野氏、ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社」:3次元画像のテンプレートマッチングに正面から挑戦しており、ピラミッド自己組織化マップを組み合わせた探索計算量の削減における工夫が高く評価される。

  • 審査委員:
    • 輿水 大和 (理研, YYCソリューション, 中京大学)
    • 理研 ボクセル情報処理システム研究チーム: 田中 修平、中邨 博之、松林 穀
    • 理研 画像情報処理研究チーム: 横田 秀夫、吉澤 信、竹本 智子

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