画像情報処理研究チーム, 光量子工学研究領域, 理化学研究所
外観検査アルゴリズムコンテスト2017の結果
ViEW2017ビジョン技術の実利用ワークショップでの表彰式・発表の様子
パシフィコ横浜にて2017年12月7日-8日に開催されたViEW 2017にて、細胞内観察画像の「分裂する細胞はどれだ?」(データ提供:根本 知己 先生, 一本嶋 佐理 氏, 北大)を対象とした外観検査アルゴリズムコンテスト2017 (145名エントリー)の結果発表・及び優秀賞・レゾナンスバイオ賞の表彰が行われました。本コンテストは,精密工学会 画像応用技術専門委員会が主催し,文部科学省科 学研究費補助金 新学術領域研究 「共鳴誘導で革新するバイオイメージング (レゾナンスバイオ)」が共催して開催されたコンテストです。本コンテストで用いた入力の画像データは公開予定です。
- 菅野 純一 氏 (ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社)
時系列特徴ヒストグラムの分類を利用した細胞分裂の検出
- 自己組織化マップに より時系列特徴を分類することで細胞分裂を特定するアルゴリズム - - 榎本 孝之 氏,宇津木 裕貴 氏,長安 純子 氏,藤田 大 氏 (株式会社ファースト)
明るさの変化に頑健な位置合わせと分裂モデルを用いた細胞分裂検出
- 二値画像 における細胞分裂のモデル化 - - 佐々木 友哉 氏,山瀬 裕也 氏,山田 晃裕 氏 (徳島大学)
ラベリング特徴量を用いた細胞分裂の検出と追跡
- ラベリングから得られる特徴 量より細胞分裂検出するアルゴリズム - - 安部 昌俊 氏,川岸 成輝 氏 (徳島大)
画像間の差分抽出を用いた細胞分裂の検出
- 差分抽出による分裂領域候補の列挙とラベリングによる分裂領域の確定 - - 榎本 孝之 氏,宇津木 裕貴 氏,長安 純子 氏,藤田 大 氏 (株式会社ファースト)
明るさの変化に頑健な位置合わせと分裂モデルを用いた細胞分裂検出
- 二値画像 における細胞分裂のモデル化 - - 佐々木 友哉 氏,山瀬 裕也 氏,山田 晃裕 氏 (徳島大学)
ラベリング特徴量を用いた細胞分裂の検出と追跡
- ラベリングから得られる特徴 量より細胞分裂検出するアルゴリズム - - 菅野 純一 氏 (ヴィスコ・テクノロジーズ株式会社)
時系列特徴ヒストグラムの分類を利用した細胞分裂の検出
- 自己組織化マップに より時系列特徴を分類することで細胞分裂を特定するアルゴリズム -
精密工学会 画像応用技術専門委員会
最優秀賞
優秀賞
学生奨励賞
文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究 共鳴誘導で革新するバイオイメージング (レゾナンスバイオ)
レゾナンスバイオ大賞
レゾナンスバイオ賞
本レゾナンスバイオ(大)賞は正解率上位のみの選考基準である(最)優秀賞とは異なり、レゾナンスバイオに有用であろうロバスト性を4種類の順位(アルコン委員会基準、各正答データの難易度を加味した順位:参加者全体の正解率の逆数で各データの点数を重み付けした順位、重み付け+参加者の全データに対する得点の分散で正解率を割った点数の順位、検出正解数と過検出数と未検出数から導出した点数の順位)により採点し、また、アルゴリズムが独創的であるかを提出された要旨を基に広島大の栗田先生及び中京大の輿水先生に審査して頂いた結果を基に選考をしております。画像応用技術専門委員会とレゾナンスバイオの受賞者が一致しましたが、それぞれ独立に審査しております。
レゾナンスバイオ大賞・賞受賞者の方々. 左から、 藤田氏, 長安氏, 榎本氏, 宇津木氏 (ファースト),山田氏, 佐々木氏, 山瀬氏 (徳島大学),菅野氏 (ヴィスコ・テクノロジーズ)とデータ提供者の根本先生
課題: 4次元画像から分裂イベントの検出「分裂する細胞はどれだ?」(データ提供:根本 知己 先生, 一本嶋 佐理 氏, 北大)
審査委員講評
- 「榎本氏ら、ファースト」:撮影範囲の変動を補正するためにテンプレートマッチングに基づく位置合わせを行い,各フレーム毎に適応的二値化により細胞核を抽出し,その変化から細胞分裂を検出する手法である.細胞分裂の検出には,観察に基いて設計した特徴量を利用している.検出対象の特性と変動要因に対応する方策を十分に検討し,既存手法を組み合わせて高い検出性能を実現している.
- 「佐々木氏ら、徳島大学」: 適応的閾値処理を用いた二値化により細胞領域を抽出し,細胞領域をラベリングし,ラベル付けされた各細胞領域の座標,縦幅,横幅,面積,重心を計測し,それらからルールにより細胞分裂を検出ている.オーソドックスな画像処理手法を組み合わせた非常にシンプルな手法で高い検出性能を実現している.
- 「菅野氏、ヴィスコ・テクノロジーズ」:正規化相関値により位置合わせを行った後,空間勾配の時間方向の内積に対する自己組織化マップを用いて時空間特徴を抽出し,さらに,局所領域の特徴ヒストグラムに対して自己組織化マップを用いて分裂を抽出している.この課題に対して,自己組織化マップが最適な方法であるかどうかについては疑問が残るが,比較的高い検出結果が得られている.ただし,他の手法とくらべて過検出が多いことは欠点である.
- 審査委員:
- 栗田 多喜夫 (広島大学)
- 輿水 大和 (中京大学)
- 理研レゾナンスバイオ横田班: 横田 秀夫、吉澤 信、竹本 智子
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