理研セミナー「核酸分析の最前線 5」

参加登録はこちら(11月16日18:00まで)

開催概要

アンチセンス核酸やmRNAワクチンなど修飾核酸を本体とした医薬が新たなモダリティーとして確立しつつあります。こうした核酸を化学的に分析するニーズが増大している一方で、この領域の研究者・技術者間の情報交換の場は決して多くはないのが現状です。このような現状を踏まえ核酸関連物質の分析についての情報交換の場を提供することを目的として、核酸分析に焦点を当てた理研セミナーシリーズを行います。第5回目のセミナーでは、長鎖RNA医薬品の分析を中心に2つの話題を提供いただきます。1つ目は国立医薬品食品衛生研究所の山本 武範先生にmRNA医薬品の品質評価について規制科学研究の観点からお話しいただきます。2つ目として武田薬品工業株式会社の竹内 祥子先生に核酸医薬品の安定性向上を目的とした配列最適化法および物性評価法についてご紹介いただきます。皆さんのご参加と活発なご議論を期待しています。

講演内容

山本 武範 先生 (国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子医薬部 第一室)

「mRNA医薬の品質評価法に関する規制科学研究」

mRNA医薬は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する予防ワクチンの開発において、その速い開発スピードと高い予防効果が示された。国立医薬品食品衛生研究所では、mRNA医薬の品質評価手法について、実験科学的な検証を実施しており、その結果も踏まえ、個々の評価手法について分析学的特性や留意事項を整理している。本発表では、mRNA医薬に特有の品質特性とその評価法について概説するとともに、実験科学的検証から新たに見えてきた品質評価上の課題について紹介する。

竹内 祥子 先生 (武田薬品工業株式会社 ファーマシューティカル・サイエンス アナリティカル・デベロップメント)

「核酸医薬品の物性評価法の確立」

医薬品開発において、安定な医薬品の供給と効率的な製剤最適化の観点から、多面的な物理化学的性質の評価が求められている。一方で、核酸医薬の物性評価や製剤設計戦略については、低分子化合物ほど確立されていない。本発表では、物理化学的性質の一つである安定性の向上を目的とし、弊社で開発した質量分析計による合理的な配列最適化法を発表すると共に、企業連携の場としてのMOP(マテリアルズ・オープン・プラットフォーム)を通して構築した核酸の物性評価法を紹介する。

各講演共 講演30分+質疑応答10分

参加登録はこちら(11月16日18:00まで)

問い合わせ

生命分子解析ユニット(担当: 中山 洋) knife@riken.jp