アンチセンス核酸やmRNAワクチンなど修飾核酸を本体とした医薬が新たなモダリティーとして確立しつつあります。こうした核酸を化学的に分析するニーズが増大している一方で、この領域の研究者・技術者間の情報交換の場は決して多くはないのが現状です。このような現状を踏まえて核酸関連物質の分析の情報交換の場を提供することを目的として、核酸分析に焦点を当てた理研セミナーシリーズを行います。第3回目のセミナーでは、微生物をもちいるユニークな長鎖RNAの生産技術について味の素株式会社の羽城先生ご紹介いただくと共に同位体希釈質量分析による詳細かつ定量的な長鎖修飾RNA分析について理研/都立大グループから報告します。皆さんのご参加と活発なご議論を期待しています。
mRNAワクチンなど医薬向けの長鎖修飾RNAのキャラクタリゼーションは重要であるが従来比較的困難だった。私たちは修飾RNA解析のために同位体希釈質量分析(SILNAS)を開発してきた。本講演では、SILNASによるCOVID-19 mRNAワクチンモデルの解析例を示し、この方法の有用性と課題について議論したい。
RNAは、害虫駆除といった効果をもたらす環境低負荷な次世代農薬や、近年脚光を浴びる核酸医薬の原体への展開が見込まれる有用なバイオ高分子素材である。本セミナーでは、アミノ酸やタンパク質の生産菌として知られるコリネ型細菌を宿主とした各種RNAの高効率生産系について紹介すると共に、現在進行形で取り組んでいる、RNA医薬の原料供給を目指した応用展開に関して発表を行う。
各講演共 講演30分+質疑応答10分
生命分子解析ユニット(担当: 中山 洋) knife@riken.jp